エピストラ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役CEO:小澤 陽介、以下「エピストラ」)は、このたび、殿町・羽田再生医療拠点(英語名称:Cluster for Regenerative Medicine in Tonomachi Haneda、略称:CReM TONOHANE、以下「CReM TONOHANE」)へ参画いたしましたので、お知らせいたします。
CReM TONOHANEについて
CReM TONOHANEは、神奈川県川崎市川崎区殿町地区および東京都大田区羽田地区を中心に、再生医療・細胞治療の実用化および世界展開を加速するためのプラットフォームであり、2024年6月に形成されました。東日本における再生医療のハブとして、アカデミア、企業、公的研究機関、自治体が集積し、産官学が密に連携しながら、エビデンスに基づく有効性・安全性が担保された再生医療等製品・サービスの国内外への展開を目指しています。
ウェブサイト:https://crem-tonohane.jp
参画の背景と目的
再生医療・細胞治療の社会実装においては、臨床グレードの細胞を安定的かつ効率的に製造するための培養条件・製造プロトコルの確立と、製造した細胞の品質を客観的かつ効率的に評価する手法の確立が、ともに大きな課題となっています。細胞は多様・動的で制御が難しく、さまざまな製造条件が相互に影響し合うため、人の直感と経験だけで全体像を把握・制御することは困難です。
製造プロセスの最適化
AI実験自動最適化システム「Epistra Accelerate」は、高次元・高ノイズ・高コストな条件検討を従来より少ない試行回数で実施することを可能にし、ライフサイエンス分野で60件以上の適用実績があります。アステラス製薬株式会社との共同研究では、NK細胞の培養プロセス開発においてAIとロボットによる条件最適化を行い、約3ヶ月で文献比50〜100倍の収量を達成する培養条件を複数発見するとともに、開発初期段階からデザインスペースを推定し、QbD(Quality by Design)を見据えた検討を可能にしました。
▶︎ アステラス製薬様との事例を見る:AI × ロボット駆動で次世代の細胞医薬品製造を実現する
細胞の品質評価
顕微鏡画像やオミクスデータなど、細胞の状態を反映する多様なデータから、AIにより品質・機能を予測する評価指標の構築に取り組んでいます。京都大学iPS細胞研究所(CiRA)櫻井英俊教授との共同研究では、iPS細胞から骨格筋前駆細胞への長期分化誘導プロトコルにおいて、途中時点の位相差顕微鏡画像から最終的な誘導効率を早期に予測する手法を開発し、論文として報告しました(Scientific Reports)。また、顕微画像から細胞の機能性と結びついた重要品質特性(CQA)を非破壊・低侵襲に抽出・定量化する研究を、神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)などと協力して進めています。
▶︎ 論文発表のニュースを見る:画像解析と機械学習を用いたヒトiPS細胞の分化効率の早期・非破壊予測法の共同開発成果がScientific Reportsに論文発表されました
今回の参画を通じて、エピストラはCReM TONOHANEに集う大学・研究機関・企業の皆様と連携し、細胞製造プロセスの最適化や品質評価の高度化・効率化など、再生医療の産業化に向けた共同の取り組みを推進してまいります。
今後の展開
エピストラは、CReM TONOHANE参画機関との連携において、(1)AIを活用した細胞製造プロセスの最適化、(2)エビデンスに基づく有効性・安全性を示すための品質評価・解析基盤の構築、(3)AI活用を見据えたデータ基盤とLLMを活用した意思決定支援、および将来的なロボット連携による自動化製造プラットフォームの実現、の3つのテーマを軸に共同研究・連携プロジェクトを推進し、その成果を継続的に発信してまいります。